『20歳のときに知っておきたかったこと』から学ぶ起業家精神とイノベーションの大切さ

目次

<著者についての紹介>

本書「20歳のときに知っておきたかったこと」は、スタンフォード大学の医学大学院で神経科学の博士号を取得し、

現在はスタンフォード・テクノロジー・ベンチャーズ・プログラム(STVP)や

ハッソ・プラットナー・デザイン研究所(d.school)のファカルティ・ディレクターを務めるティナ・シーリグ (Tina Seelig)氏が著しました。

さらにスタンフォード大学工学部教授としても活動し、工学教育での活動が評価され2009年に権威あるゴードン賞を受賞。

他にも『未来を発明するためにいまできること』『スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義』などの著書があります。

<本書の概要>

「20歳のときに知っておきたかったこと」は、スタンフォード大学の先生であるティナ・シーリグによって執筆された著作です。

本書は、彼女の息子が20歳になるときに贈りたいと考えて執筆されたもので、

スタンフォード大学の学生たちに教えられる起業家精神イノベーションの演習授業から生まれた内容を収録しています。

本書では、スタンフォード大学の学生たちがどういった事を学び、どういう風に物事を考えるようになったかについて、

具体的なエピソードを通じて説明しています。また、これらのエピソードを通じて、

読者もさまざまな思考実験に誘われることで、自分自身の考えを変えるきっかけを得ることができるでしょう。

起業家精神とは何か

起業家精神の定義と、それを身につけるために必要な要素について

『20歳の時に知っておきたかったこと』では、起業家精神を定義し、それを身につけるために必要な要素を紹介しています。

起業家精神とは、問題を機会に変え、新しいアイデアを生み出し、それを実現するために、リスクを取り、創造力を発揮する精神のことです。

起業家精神を持つ人は、問題を解決するための枠を超え、常識にとらわれず、

独創的なアイデアを思いつき、それを実現するために行動することができます。

具体的な例としては、スターバックスがコーヒーを普及させるために、

品質の高いコーヒー豆を提供するだけでなく、カフェのような空間を提供し、

音楽を流し、読み物を提供することで、コーヒーの飲み方を変え、コーヒー文化を作り上げることができたのが良い例です。

起業家精神を身につけるためには、リスクを取る勇気や、創造力を発揮するための「思考のフレームワーク」が必要です。

また、起業家精神を持つ人は、自分のアイデアを実現するために、誰かに言われることを気にすることなく、

自分のペースで行動することができる「自己決定性」を持っていることが大切です。

ただ、こういった起業家精神のマインドをもつことは多くの日本人にとっては難しいかもしれないなと感じました。

日本の教育のせいにしてはいけませんが、「言われたことをやる」だけでなく、創造性をもってアイデアを生み出し、

失敗を恐れずにリスクをとって実現するために行動していくことが大切だと実感しました。

問題をチャンスに変える

『20歳の時に知っておきたかったこと』に提示されている、問題をチャンスに変える方法を実践例を交えて解説

起業家精神とは、問題をチャンスに変えることであると言われています。

本書『20歳の時に知っておきたかったこと』では、問題をチャンスに変える方法を豊富な事例を交えて解説しています。

例えば、スタンフォード大学で学生たちに「5ドルの元手を使って2時間でできるだけ増やせ」という課題を与えると、

彼らは驚くような方法でお金を増やすアイデアを生み出しました。

その一つに、5ドルではなくスタンフォードの学生の前で結果の発表をする時間を最も重要な資産と考え、

その3分の発表時間を企業に広告枠として売る学生がいたりします。

また、「スタンフォードの学生売ります。一人買えば二人おまけ」というアイデアを思いついた学生もいました。

彼らは、5ドルではなく自分たち自身に価値を見出し、お金を増やすことに成功しました。

これらの事例は、問題をチャンスに変えるためには、常識を疑うことが大切であることを示しています。問題を避けるのではなく、

それを乗り越えるための新しいアイデアを考えることが重要です。

さらに、本書では、問題をチャンスに変えるために必要な要素についても詳しく解説しています。

例えば、リスクを積極的に取ること、失敗を財産にすること、幸運を呼び込むことなどについても具体的な例を挙げて紹介しています。

例えば、問題とされる「人手不足」をチャンスに変えるためには、

オンラインでの人材募集や、外国人の採用など新しい手法を取り入れることが求められます。

また、「競争が激しい」とされる市場をチャンスに変えるためには、

独自のブランドを確立し、独自のセグメンテーションをすることが重要です。

さらに、「資金不足」をチャンスに変えるためには、クラウドファンディングなど新しい資金調達手段を活用することが求められます。

これらの例からもわかるように、問題をチャンスに変えるためには、常識にとらわれず新しいアイデアを生み出すことが求められます。

ちなみにもし日本の大学で、「500円の元手を使って2時間でできるだけ増やせ」という課題を(事前にこの本を読んでいる学生いたらだめですが)与えたらどういう結果になるでしょうね。

本書にもありましたが「500円でなにか道具や食材などを買ってそれでなにか商売して少しでも増やそう」という人が多いのではないかと思います。

そうではなくて、元手とかは気にせずに、いかに今あるもので想像力を発揮してどうやったら最大限の成果を上げられるかを考えるのが大事なのでしょう。

日本でも大学対抗みたいな企画でテレビやABEMAとかでやれば面白いなと思いました。

イノベーションの戦略

『20歳の時に知っておきたかったこと』に紹介されているイノベーションの戦略を、実際の事例を使って具体的に解説

イノベーションは、新しいアイデアやプロダクトを生み出すことで、市場をリードするための戦略です。

『20歳の時に知っておきたかったこと』では、イノベーションを成功させるために必要な要素や戦略が紹介されています。

その中でも特に重要なのが、リスクを取ることです。イノベーションは、常識にとらわれない新しいアイデアを生み出すことが求められます。

それは、必ずしも成功するとは限らないため、リスクを取らなければならないということです。

例えば、スマートフォンの大手メーカーであるアップルは、市場に存在していた携帯電話とは異なる、タッチスクリーンを採用した端末を開発しました。

当時は、携帯電話にタッチスクリーンは必要ないと考えられていましたが、アップルはリスクを取って開発し、大きな成功を収めました。

また、イノベーションを成功させるためには、常に顧客ニーズを把握し、それに応えることが大切です。

例えば、Uberはタクシー業界において、顧客がタクシーを呼ぶ手間や、空車の時間帯による運賃の高騰の問題を解決しました。

また、Airbnbは、不動産リスティングサービスのイノベーションを実現するために、

ホテルに代わる住空間を提供するという新しいアイデアを活用し、成功を収めました。

とはいえ、リスクをとって常識にとらわれない新しいアイデアやプロダクトを生み出すことは簡単にできることではないでしょう。

とくに日本だと法律的に規制が厳しいのでAirbnbにしてもUberにしてもなかなか社会に普及しづらいという問題もあります。

成功するための要素

起業家精神を身につけ、イノベーションの戦略を実践するために必要な要素について

起業家精神を身につけ、イノベーションの戦略を実践することで、成功するために必要な要素を見つけ出すことができます。

その中でも重要な要素として、リスクを取る意欲や創造力、独創的なアイデアを生み出す能力、問題を解決する能力、

そして、失敗から学ぶことができる積極的な態度があげられます。

それでは、成功するために必要な要素について具体例を交えて解説します。

起業家にとって最も重要なのは、リスクを取る意欲です。

Uberの成功は、タクシー業界に対してリスクを取って挑戦した結果生まれました。

彼らは、違法な取り締まりに対しても、常識に反した新しいビジネスモデルを展開しました。

イノベーションを生み出すためには、創造力が欠かせません。

アップルのスティーブジョブズ氏は、常に新しいアイデアを生み出し続けることで、革新的な製品を生み出しました。

起業家にとって重要なのは、問題解決能力です。

Amazonのジェフベソス氏は、顧客にとって最適なサービスを提供するために、常に問題解決に取り組んできました。

成功するには、情熱が必要です。Facebookを起業したマークザッカーバーグ氏は、

彼が作り上げたプラットフォームが世界中の人々にとって有益であることを信じて、毎日情熱を注ぎ込んで開発を続けました。

その結果、Facebookは今日、世界最大のソーシャルメディアに成長しました。

まさに「リスクを取る意欲」「創造力」「問題解決能力」「情熱」はビジネスで大きく成功するために必須な要素と言えるでしょう。

まとめ

個人的にも『20歳の時に知っておきたかったこと/ティナ・シーリグ(著)』の書籍を通して、

起業家精神とイノベーションの大切さについて大いに学ぶことができました。

タイトルに「20歳の時に知っておきたかったこと」とありますが、

終身雇用の崩壊や経済的にも停滞している日本において、30代でも40代でも50代の人でもとても刺さる内容だと思います。

「いくつになっても常識を疑い失敗を恐れずチャレンジしていきたい」とモチベーションが上がる一冊でした。

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